愛媛県知事選
告示日
2026年10月29日
投票日
2026年11月15日
現時点では立候補表明者はゼロ。現職の中村氏は5期目を目指すのか。
愛媛県知事選は、年々投票率が下がり、前回は33.95%と極めて低い投票率です。
4期連続で知事を務める現職の中村氏が今回も立候補するのか。新人の立候補はあるのか。今後の行方に注目しましょう。
現職知事

中村 時広
なかむら ときひろ
<生年月日>
1960年1月25日
(66歳)
民間企業(商社)での勤務を経て、県議会議員、衆議院議員、松山市長を歴任。2010年12月より愛媛県知事を務め、現在4期目です。
略歴
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1960年生まれ。愛媛県松山市出身
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慶應義塾大学法学部法律学科 卒業
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1982〜1987年 三菱商事株式会社で勤務
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1987年 愛媛県議会議員選挙に立候補して初当選
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1990年 第39回衆議院議員総選挙に旧愛媛1区から立候補し、初当選(当時最年少の30歳)
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1999年 松山市長に当選(当時全国の中核市で最年少の市長)。3期にわたり松山市長を務める
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2010 前知事の加戸守行からの後継指名を受け、愛媛県知事選挙に立候補し初当選。現在4期目を務める。
愛媛県について
人口は125万人ほど。四国では最も多く、全国では28位。北は穏やかな瀬戸内海、西はリアス式海岸が広がる宇和海に面し、南には西日本最高峰1,982mの石鎚山を擁する四国山地がそびえています。
県内は大きく「東予地方」「中予地方」「南予地方」の3つのエリアに分かれており、それぞれ異なる特色を持っています。
東予地方(とうよちほう)
製造業や造船、タオル産業が盛んで「今治タオル」が有名なものづくり地帯。しまなみ海道の起点。
中予地方(ちゅうよちほう)
県庁所在地の松山市があり、政治・経済の中心地。道後温泉や松山城、夏目漱石や正岡子規など、歴史と文学の街です。
南予地方(なんよちほう)
リアス式海岸での養殖業や、斜面を利用した柑橘栽培が盛んです。城下町の風情も残っています。
歴史ある名湯から現代のアクティビティまで幅広い見どころがあります。今治市と広島県尾道市を結ぶ美しいルート「しまなみ海道」は、サイクリングの聖地として世界的にも人気です。鯛が養殖・天然ともに生産量トップクラスで、「鯛めし」が有名。山と海の幸に恵まれた美食の宝庫です。

選挙の概要
現時点で正式に出馬を表明した立候補者はまだいません。
現職の中村氏は、2026年3月に県内の市長会・町村会から5期目への出馬要請を受けました。要請に対して「期待に応えたい気持ちはあるが、今は答えを用意していない」 と述べており、明言を避けています。
これまでの選挙について
現在、県知事を4期務める中村氏。これまでの選挙を振り返ってみましょう。
2010年(初当選)
多選批判を浴びた加戸守行知事の退任に伴い、24年ぶりとなる新人同士の激しい選挙戦となりました。中村氏は、松山市長としての実績を県政全体に広げると主張。自民党・公明党の推薦を受けて組織力を活かし、他候補を圧倒しました。
2014年(再選)
中村氏に自民党・民主党が与野党相乗りで推薦を出し、新人で共産党推薦の小路氏を圧倒的な大差をつけて再選を果たしました。
2018年(3選)
2018年7月に愛媛県内に甚大な被害をもたらした西日本豪雨からの復旧・復興へのアプローチが最重要課題となりました。中村氏に自民党・立憲民主党・国民民主党・公明党・社民党が与野党相乗りで推薦や支援を出し、圧倒的な大差をつけて3選を果たしました。
2022年(4選)
主な争点は3期12年続いた中村県政への評価でした。自民党・公明党の与党勢力から、立憲民主党・国民民主党・社民党の野党勢力までが現職の中村氏を全面的にバックアップする盤石の体制を敷き、共産党公認の林氏との一騎打ちを圧倒的な差で制しました。投票率は33.95%という極めて低い数字でした。

今回の選挙の状況
現時点で、知事選への正式な出馬表明をされた方はいません。中村氏も現段階では出馬への態度を明らかにしていません。
同日に投開票が行われ、県知事選とダブル選挙となる松山市長選では、動きが活発化しています。知事選と松山市長選が同日投票となるのは、2010年以降5回連続です。
近年の愛媛県内の選挙では投票率の低下傾向が課題となっており、県選挙管理委員会は同日選挙にすることで有権者の関心を高め、投票率の向上につなげたい考えのようです。それでも県知事選は投票率が下がり続けています。
中村氏の前の県知事を務めた加戸氏は、「多選の弊害」と「高齢多選批判」を自ら強く意識し、身を引く形で2010年の県知事選出馬を断念しました。県知事を3期務め、当時76歳という状況でした。その加戸氏の後を受けて知事となった中村氏。加戸氏を超えて4期を務める中村氏が、今回の出馬についてどのような判断をするのかも注目です。
これまでの知事選の振り返りと今回の状況
主な争点について
もし、中村氏が出馬表明をし他の候補と選挙戦となった場合は、次のような項目が大きな争点となることが予想されます。
多選と県政運営の評価
現職の中村氏のこれまでの実績や、5期目を目指す多選への是非が大きな焦点となります。
深刻化する人口減少・少子化対策
県内で歯止めがかからない人口減少に対し、若者の県内定着や子育て支援など、どのような実効性のある次の一手を打ち出せるかが問われます。
地域経済の活性化と物価高対策
長引く物価高騰から県民生活や中小企業を守るための経済浮揚策、また観光振興や東南アジアとの定期空路開設といった次世代の成長戦略が議論されます。
防災・減災対策の強化
南海トラフ巨大地震への備えや、近年激甚化する気象災害への対応など、県民の命を守る安全網のアップデートが課題となっています。
現政権の評価
中村氏に対する評価は、高いトップセールス力や危機管理実績が支持される一方、多選や政治的パフォーマンスへの懸念という賛否両面があります。
<肯定的な評価>
高いトップセールス力と経済施策
三菱商事出身の経歴を活かし、県産品の販路拡大に向けた「営業」に力を入れています。松山―台北(台湾)間の定期便就航をはじめ、海外市場の開拓に積極的な姿勢が経済界から評価されています。
危機管理におけるリーダーシップ
2018年の西日本豪雨からの復興事業や、新型コロナウイルス感染症への対応において、情報の一元化や指揮系統の迅速な一本化など、行政のトップとしての確実な実行力が自民党などの県組織から評価されています。
「もの言う知事」としての姿勢
学校法人「加計学園」をめぐる問題の際、国(官邸側)や当時の首相秘書官の発言に対し、県職員の記録をもとに毅然と反論し苦言を呈した姿勢は、「筋を通すリーダー」として一部で強い支持を得ました。
<否定的な評価>
多選による弊害の懸念
2022年の知事選で4選を果たし、現在は4期目の長期政権を担っています。自民党愛媛県連などから5期目への出馬要請も出ていますが、県政のマンネリ化や権力の固定化を懸念する多選批判も根強く存在します。
選挙の低投票率と関心の低下
中村氏の基盤が盤石である反面、投票率は過去最低を記録しました。県政が安定しすぎているために、県民の政治的関心や選択肢が狭まっているという課題が指摘されています。
移民政策に対する姿勢について
「全国知事選INFO」では、移民問題は重要視している項目の1つです。現職の中村氏のスタンスを確認したいと思います。
中村氏は、人口減少が進む日本において外国人の労働力は「欠かせない存在」であると公言しており、深刻な人手不足への対応として外国人材の受け入れや確保に非常に積極的な姿勢を示しています。ただし、無条件の受け入れではなく、メリットとデメリットの双方を総合的に議論すべきだという慎重な視点も併せ持っています。
経済維持のための積極的な受け入れ
ものづくり産業や第一次産業を中心に外国人材なくして経済が回らなくなっていると認識しており、2026年4月には県に「多文化共生推進課」を新設して受け入れ体制を大幅に強化しました。松山市内にサポートデスクを設置するなど、アジア諸国から選ばれる愛媛を目指した環境整備を進めています。
「負の側面」への懸念と法整備の要求
外国人政策が国政の争点になる際「犯罪増加などの負の側面ばかりが先行して議論されること」に懸念を示しています。ただし、一部の外国人による犯罪対策や、北海道などで問題視された外国人による土地買収については、不動産関連の法律改正を含めた議論を国会で行うべきだと主張しています。
地方からの人材流出への危機感
国が推進する育成就労制度等の転籍制限緩和により、地方で受け入れた外国人材が賃金の高い大都市圏へ流出してしまうことに強い危機感を持っており、国に対して地方への配慮を求める要望を提出しています。
いま、日本では移民の受け入れにより様々な問題が起こっています。中村氏が「犯罪増加などの負の側面ばかりが先行して議論されること」に懸念を示したことが、むしろ大きな懸念材料です。移民問題は、社会・文化的な摩擦を生み、日本の治安を大きく脅かしています。負の側面は、手遅れになる前に率先して議論されるべきです。中村氏の移民についての姿勢には、注意が必要です。
対中姿勢ついて
中国の台湾侵攻を見据えた急激な軍拡や、日本に対する軍事的・経済的威圧に対して、中国との関係には慎重な姿勢が必要です。いきすぎた親中姿勢がある場合には安全保障上で重大な懸念があります。
中村氏は、実利的な経済交流を重視する一方、愛媛県の誇るブランド農産物の流出に対しては極めて厳しい対抗姿勢をとっています。
中国を重要な巨大市場と捉えており、松山―上海便の運航再開を見据えて自ら中国を訪問し、中国東方航空などへトップセールスを行ってきました。また、中国市場に向けた愛媛県の観光PR動画では、自身が中国語の歌を披露して現地のSNSで1000万回以上再生されるなど、民間・ビジネスレベルの交流拡大に極めて意欲的です。
一方で、2026年6月には、愛媛県が開発した高級かんきつの新品種「紅プリンセス」が中国へ流出した疑いがある問題が浮上しました。これに対し、中村氏は「非常に悔しく、残念な思いだ」と強い遺憾の意を表明し、即座に農林水産省へ赴いて実態解明と法的な流出防止対策を国と一体で講じるよう緊急要請を行っています。
大きな懸念とまではいきませんが、中国との積極的な経済交流を行う姿勢は要注意です。
中村氏の人柄
中村氏は、元松山市長である父親から続く政治家家系ですが、民間企業(三菱商事)でのビジネス経験も持っており、現場主義や民間感覚を重視する人柄で知られています。
愛媛県の農水産物の販路を開拓するため、知事自らが国内外へ赴く「トップセールス」を頻繁に行っています。フランスの巨大市場への売り込みや、アジア圏への経済交流など、攻めの姿勢が特徴です。
徹底的な数値目標を重視します。「公約は抽象的ではなく数値目標が大事。低ければ達成しやすく、高ければ夢物語になる。知恵を絞ってギリギリ手の届く数値にした」と語るなど、行政にありがちな曖昧さを嫌い、結果にこだわるリアリストでもあります。
加計学園問題では、国や官邸の姿勢に対しても怯まず、県庁に保管されていた当時の首相秘書官の名刺や面開記録の文書を次々と公開しました。この行動は「利害に関わらず筋を通した正しい行動だ」と多くの支持や注目を集めました。
座右の銘に「至誠通天(誠実を尽くせば天に通じる)」を掲げており、パフォーマンスが派手に見える一方で、中身は非常に泥臭く、実利主義的なリーダーで、長年にわたって高い支持を得ています。
投票日は11月15日です
まだ誰の立候補の表明もない状況です。動きがあり次第、都度更新してアップしていきたいと思います。最新情報や更新状況はこのサイトのX公式アカウントでアナウンスしていきますのでフォローいただけると幸いです。
知事選は国政選挙に比べて関心が低いです。他の自治体の知事選についてはまったくといって関心がないくらいの状況です。知らないうちに選挙が終わり、気がつくとなぜ当選したのかと首を傾げたくなるようなトンデモ知事が誕生している自治体が全国にいくつもあると感じています。
愛媛県知事選は投票率が極めて低くく、関心の低い選挙といえます。中村氏の圧倒的な強さが大きな要因です。資質や実績などからは、これまで圧勝を続けてきた理由も理解できます。今回の選挙に立候補された場合も、盤石な選挙戦になる可能性が高いでしょう。それでも選挙は、現政権を検証するタイミングであり、関心の高まる選挙になることを願います。
全国の知事選でもしばしば問題として上がる「知事の多選」や「与野党相乗り」の状況も見受けられます。この是非も愛媛県知事選を通して考えてみる良い機会です。「知事の多選」は、県政のマンネリ化や権力の固定化につながる懸念があります。「与野党相乗り」は、有権者の選択肢を奪い、政治への関心低下につながります。
投票は選挙に関心があると意思表示をする機会でもあると考えます。もし当選者が決まっているような選挙でも、投票には行きましょう。1票で変わる未来はあります。
愛媛県にお住まいの方達はもちろん、その他の地域にお住まいの方にも愛媛県知事選に、ぜひ関心を持っていただきたいです。日本をよりよくするために、全国の知事選を一緒に盛り上げましょう!
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